初めてチームを持ったとき、私は大きな壁にぶつかりました。
「数字を頑張ろうと思えない」「達成はモチベーションにならない」──
私が実際メンバーから言われた言葉です。
プレイヤー時代は、売上を上げるのが当たり前。
「やればできるはず」と思い、数字を追うことこそ正義だと信じていました。
でも、その価値観を押し付けても、メンバーは動かない。
このとき気づいたのは、人はそれぞれ「頑張る理由」が違うということ。
数字で燃える人もいれば、お客様からの「ありがとう」で頑張れる人もいる。
今回は、私が初めてチームを持ったときに経験したマネジメントの失敗談と、
そこから学んだ**「メンバーを動機づけるために大切な3つの視点」**をお伝えします。
これを意識することで、
- 部下のやる気を引き出し
- チームの一体感を高め
- 結果的に目標達成へつなげる
そんなマネジメントのヒントになれば嬉しいです。
初めての4人チーム、数字だけを追っていた日々
初めて持ったのは、4人チーム。目標は売上でした。
けれど、チーム全体の数字はなかなか伸びず、
私が1.5人〜2人分の売上を上げて、なんとか達成する月もある状況でした。
毎週の振り返り1on1では、行動量を増やすためのノウハウを伝え、
「どうすればもっと動けるか?」を一緒に考えます。
メンバーはその場では「わかりました」と言うものの、実行されない。
チームの雰囲気は決して良いとは言えませんでした。
- 二日酔いで出社し定時で帰るメンバー
- チャットばかりしているメンバー
- 我関せずで成果が出ないメンバー
当時の私は「もっと行動すれば売上は上がるのに」と本気で思っていました。
「数字を頑張ろうと思えない」──部下の一言で揺らいだ価値観
ある1on1で、部下からこんなことを言われたんです。
「数字を頑張ろうと思えないんです。
達成することはモチベーションにならなくて」
正直、当時の私は「それなら営業やめてくれや」と思ってしまってました(過激!)
でも、口には出すのはダメなことはわかるので、こう返したんです。
「じゃあ、どういうところにモチベーションを感じる?」
すると返ってきた答えは
「お客様からありがとうと言ってもらえることですかねぇ」
このときは、「なるほどなぁ」と思いつつ
「甘っちょろいこと言ってんな!給与もらってんだろ!」
という気持ちも少なからずありました(過激パート2)
ただ、そのメンバーとはそこから「たくさん“ありがとう”をもらうこと」を目標に設定し、
少しずつですが、関係性が変わり始めました。
「あなたは自分のことが一番大事に見えるね」──衝撃の一言
本当の転機は、社内のリーダー研修で別部署の部長に言われた一言でした。
「あなたは、自分のことが一番大事に見えるね」
当時の私は成果を出していたし、周囲から指摘されることもほとんどありませんでした。
「私の価値観こそ正しい」と思い込んでいたんです。
だから、この一言は雷に打たれたような衝撃でした。
帰り道、すぐに部下全員にLINEを送りました。
「これまで価値観を押し付けてきてごめん。
あなたの話をもっと聞かせてほしい。」
その後、1人とは会議室で、2人とは飲みに行って話しました。
メンバーが大切にしている価値観や、どう成長したいかを知ろうとする姿勢を見せたことで、
少しずつ信頼関係が築けるようになったんです。
H2:世代じゃなく、個人の価値観の違いだった
この経験を通じて強く感じたのは、
「世代間ギャップ」ではなく「個人の価値観の違い」だった、ということです。
- 昔は「数字=評価=モチベーション」という価値観が主流だった
- でも今は、「お客様への価値提供」や「やりがい」を重視する人が増えている
- 「やる気がない」わけではなく、「頑張る理由が違う」だけ
この視点を持てるようになってから、
メンバーへの向き合い方が大きく変わりました。
失敗から学んだ、メンバーを動機づける3つのコツ
1. メンバーの価値観を知る
- 1on1で「何を大事にしたいか」を深掘りする
- 仕事を通じて何を得たいのか、どんなときにやりがいを感じるのかを聞く
2. チームの目的を顧客起点でセットする
- 「この数字は、お客様に価値を届けるためのもの」と伝える
- 数字を目的にするのではなく、数字の“意味”をセットで語る
3. 個々の動機と目標を紐づける
- 例:「お客様から“ありがとう”をたくさんもらう」→「結果的に売上も伸びる」
- メンバーごとに響くストーリーを描くことで、やる気につながる
同じ悩みを持つリーダーへのメッセージ
正直、今でもマネジメントは完璧ではありません。
でも、「自分の価値観を押し付けるのではなく、部下の価値観を理解しようとする姿勢」
これこそが、部下がこの会社で頑張る糧になると今は思っています。
数字を追うことは大切です。
けれど、それだけではチームはついてこない。
「なぜその数字を追うのか」「その先に何があるのか」を一緒に描けるリーダーでありたい。
そう思っています。
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